第百八章

葵は冷たい壁に寄りかかり、額から冷や汗をにじませていた。

胃を締め付けるような激痛は、まるで電動ドリルでかき回されているかのようで、彼女はたまらず身を屈めた。

角から医療用カートを押して現れた圭治は、その死にそうな姿をひと目見て鼻で笑った。

「無茶をしたツケが回ってくるのが随分と早いな」

圭治は冷たく言い放ちながら、点滴のボトルをスタンドに掛けた。

葵に言い返す気力はなく、冷たい針が再び手の甲に刺さるのを黙って受け入れた。

「和也の奴は死なないが、お前の方が先に逝きそうだな」

圭治は針の刺さった部分を押さえながら、ぶっきらぼうに言った。

「母さんの薬、投与量を二倍にして」

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